TREATMENTS_07小児の矯正時期

一期治療(小学生頃)

目的

顎の成長コントロール、歯列拡大など

時期

乳歯列期・混合歯列期(永久歯が生え揃う前まで)

二期治療(中高生頃〜大人)

目的

歯並び・咬み合わせの改善

時期

永久歯列期(永久歯が生え揃ってから)

矯正医によって異なる判断

ある医院では「早く始めるべき」と言われ、別の医院では「永久歯が生え揃うまで経過観察」と異なる指摘を受け、悩まれる方も多いと思います。矯正治療の開始時期の判断については、矯正医の考え方により様々というのが現状です。日本矯正歯科学会は、一期治療の効果などについてガイドラインを公表しています。当医院ではこれらを参照した上で、二期治療から開始を促すケースがほとんどです。

Q_01

一期治療を行えば、二期治療をしなくても大丈夫ですか?

A

一期治療だけで、二期治療の目的(歯並び・咬み合わせの改善)を達成することは非常に稀です。なぜなら未確定情報(まだ生えてこない永久歯の大きさや位置、顎の前方成長量など)が多いためです。そのため一期治療の後には二期治療が必要になる場合がほとんどです。

Q_02

一期治療を行えば、歯を抜かずに二期治療ができますか?

A

これから生えてくる永久歯次第でデコボコ量なども変わるため、抜歯・非抜歯については、二期治療開始時にならないと診断できません。それまでに歯列拡大、臼歯の後方移動などを一期治療で行う場合もありますが、永久歯が生えてから二期治療でこれらを行っても決して遅くはありません。

Q_03

一期治療の効果はありますか?

A

不正咬合には様々な症状があります。例えば上顎前突(出っ歯)に対しては、下顎の前方成長を促す機能的装置(バイオネーターなど)を用いた治療があります。しかし骨格の成長に関しては、ご両親の遺伝など様々な要因があるため、その効果は低いと考える矯正医も多く存在します。当院では、日本矯正歯科学会ガイドラインを参照した上で、このような顎の成長コントロールは行わず、二期治療から開始を促す場合が多いです。

日本矯正歯科学会ガイドライン

日本矯正歯科学会「矯正歯科診療のガイドライン 上顎前突編」p16より引用

Q

上顎前突症患者に対し、機能的装置は有効か?

A

一般的には機能的装置が成長期の上顎前突に対して、骨格系の改善に臨床的効果を及ぼすという科学的根拠はなく、むしろ否定的といえる。しかし、治療が功を奏する者とあまりうまくいかない者が存在することは否定できない。

乳歯早期脱落など、放置することで永久歯列期により重度な不正咬合となることが予測される場合などは、一期治療からの開始を推奨しております。治療開始時期がわからない場合は、ご相談時に推奨時期をお伝えしますのでご来院ください。